アジア選手権最終戦開催!
12月1日~3日に、タイのチャーンサーキットで、アジアロードレース選手権第6戦が開催された。
12月2日(土)
12月2 日は各クラスの予選と、レース1 が行われた。
ASB1000クラスの國井勇輝は予選で初めて使う予選用タイヤを履き、タイムアタック。
セッション終盤に1 分35 秒859 と初の35 秒台へ入れた。その結果、決勝は2 列目5 番手からスタートすることとなった。
ARRCデビューレースとなった決勝レース1 のスタートで、まずまずの飛び出しを見せた國井は序盤、トップ集団が見える6 番手で走行。
上位進出のタイミングを計る。しかし既にこのコースで開幕戦を行い、さらに各地のレースを転戦しながらマシンを仕上げてきたライバル勢に対し、経験の少なさは大きく、トップ集団から徐々に離されていき、5 位でゴールしポイントを獲得した。
AP250の石井千優は予選で1 分54 秒695 をマークし、18 番グリッドを獲得。スタートは少し出遅れ、19 番手あたりで序盤は周回をする。
2周目にこのレースでの自己ベストタイムとなる1 分55 秒054 を出し、さらにペースを上げようとトライするが徐々に前後との差が広がり、単独走行となっていく。
上位の転倒などもあり、終盤には16 番手まで順位を上げたが、ラストラップの最終コーナーでパスをされ、17 位でチェッカーとなった。
【ライダーコメント 】
■ASB1000 #92 國井勇輝
悔しいですね。昨日の反省を踏まえ、予選では予選用タイヤを履けるということで1 分35 秒859 と35 秒台に入ったのですが、マシンのフィーリングはそれほど良い状態ではなく、決勝も我慢のレースとなってしまいました。
すべては自分の判断なのですが、残念な気持ちで一杯です。ただ、トップグループの走りを見ることが出来たので、何が足りないか、その確認は出来ました。さらにマシンセッティングを詰めていき、明日のレース2 では巻き返したいと思います。
■AP250 27 石井千優
もう少し前でレースをしたかったのですが、アベレージ的に精一杯でした。
ですが、私自身のレースペースタイム自体は上がってきているので、さらにセットアップを進め、明日の決勝レース2 では今年の総決算と言える走りをしたいと思います。
■監督 本田重樹
AP250の石井選手はもう少し上の位置でレースをしてもらいたかったのですが、やはり足の怪我が影響し、考えていた位置でレースをすることは出来ませんでした。
ASB1000の國井選手も怪我からの復帰レースで、気持ちよく走ってもらいたかったのですが、我々の想定した状況から少し変わってしまい、彼本来のレースが出来ずに終わってしまいました。残念ではありますが、決勝レース1 の状況をしっかり検証し、決勝レース2 では國井らしい走りが出来るようにサポートしたいと思います。
12月3日(日)
12月3 日はウォームアップ走行と、2023 シーズンラストの戦いとなるレース2 が行われた。
この時期のタイは乾季で湿気はないものの、それでも日中の気温は30 度越えとなる。金曜、土曜と気温は31 度ほどだったが、日曜は日差しが強く、風も弱いことから、手持ちの温度計で34 度まで上がり、路面温度も40 度近くまで上昇した。
AP250の石井千優は、昨日までのタイムをさらに上げて上位へ食い込もうと、朝のウォームアップから積極的に走り込んでいく。1 分54 秒824 をマークし、まだ気温が上がりきらない午前9 時台のコンディションの中では順調にタイムを上げていくことが出来た。
10周のレース2 がスタートし、まずまずの飛び出しを見せ、前のグループに付いていこうと積極的にペースアップする石井。2 周目に1 分54 秒640 、3
周目1 分54 秒319 と1 分54 秒台でラップし、前に追いつこうとトライするが、なかなかその差は縮まらない。4 周目に1 分55 秒台のラップタイムに落ちるが、それでも懸命に1 分55 秒台前半でキープし、18 位でゴールした。
ASB1000のチームクルーは12 月3 日のレース1 後、さらにマシンのセットアップを進めるために夜遅くまでサーキットに残り、作業を続けることとなった。それに応えるべく國井勇輝はウォームアップ走行で5 番手となる1 分36 秒600 をマークし、レース2 に臨んだ。
13周で行われたレース2 のスタートで、國井はうまく飛び出すことに成功。トップグループに入ることが出来たが、3 周目の4 コーナーでオーバーランをしてしまい、ここで上位と離れてしまった。それでもトライを続け1 分36 秒中盤でラップし、ラストラップには1 分36 秒2 と決勝レース用タイヤでの自己ベストタイムをマーク。手応えを感じながら前を追っていたものの、残り2 周でコースにオイル漏れが発生しレースは赤旗終了、6 位で終えた。
【ライダーコメント 】
■ASB1000 #92 國井勇輝 シリーズランキング16 位年間獲得ポイント21)
怪我から復帰して初めてのレースがアジア選手権のチャレンジということだったので、期待と不安でいっぱいでしたが、無事に2 レース共に走り切ることが出来ました。正直、身体の状態はまだ完全ではないことから、マシンを動かすために乗る位置を大きく変えるようなことが出来ず、本当に苦しいレースウイークとなりました。レース2 の途中から痛みを感じながらでも、身体を大きく動かしてみようとトライしたところ、それで自分本来の走りが戻ってきて、ペースも上げることが出来ました。出来ることならもう1 レースやりたいところですが、無理をして動いたので、レース2 後はかなり身体が痛みました。来季へ向けて、とても良い経験となりました。これをしっかりと次に活かせるよう、シーズンオフのトレーニングも頑張りたいと思います。
■AP250 27 石井千優(シリーズランキング26 位年間獲得ポイント88)
もう少しタイムを上げ、ポイント獲得まで入りたかったですが、現状での自分の精一杯の走りが今日の18 位でした。怪我もまだ完全に治っていない状態だったので、辛いレースウイークでしたが、それでもバイクの乗れることはとても嬉しく、そうした自分のコンディションを踏まえながらも前向きなアドバイスを中釜さんが常にしてくれて、そうした点でも楽しく走ることが出来ました。ひとまずトップレベルでレースに参戦するのはお休みしようと思います。
とても貴重な経験をさせていただいたので、これを今後は家業である千葉北ポケバイコースを走る子供たちや、自分のチームのライダーに伝え、アジア選手権でトップを走れるようなライダーを生み出して行けたら良いなと思います。多くの方々に応援して下さり、素晴らしいチャンスを頂き、心から感謝しています。ありがとうございました。
■監督 本田重樹
AP250の石井選手は、国内でレースをしているときは転倒の少ないライダーだという印象でしたが、ARRC では自分の限界にトライし、転倒しながらもチャレンジしていました。出来れば今回最後のレースでポイントを獲らせてあげたかったのですが、残念ながらそこまで到達できませんでした。でもこの環境の中で成長したことは間違いないですし、この経験を今後に活かせてもらえればと思います。ASB1000の國井は怪我明けで身体が思うように動かせない状態で、かなり苦しいレースウイークでした。それでもレース2 の中で掴むものがあったようで、レース用タイヤでの自己ベストをマークしてくれたのは、今後に向けて非常に明るい材料です。
二人とも苦しいレースウイークでしたが、その中で成長を遂げてくれたのでチームとしても手応えを感じる3 日間でした。